トップ> カンざい整理くん> ヘルプ> 破産管財人の業務の流れ> 破産手続きの終了と免責手続き
この章では,最後配当(簡易配当,同意配当)実施後の手続きについて説明します。
任務が終了したら,管財人は計算の報告書を裁判所に提出しなければなりません(法88①)。新法では,書面による計算の報告も可能(法89)ですが,債権者集会において計算の報告を行う場合もありますので,手続きについては,担当書記官に確認してください。
免責決定確定の如何にかかわらず,免責決定の公告とは別に破産手続廃止決定・終結決定の公告が行われます。
破産手続き開始の決定があった後,破産財産をもって破産手続の費用を支弁するのに不足と認められる場合,破産債権者の意見を聴取した上,破産手続廃止の決定がされます(法217①)。
新法では,書面による意見聴取も可能になりましたが(法217②),債権者集会において意見聴取を行う場合もありますので,担当書記官に手続きを確認してください。
廃止決定後に,裁判所に廃止決定証明申請書を出し,債権者および課税庁に対して写しの交付またはファックス送信等によって通知してください。法人の異時廃止の場合には,「管財業務についての結果報告書」「管財人事務についてのご通知」を作成し,各債権者に送付します。
○追加配当・・・破産手続終結の決定があった後も,追加配当は可能です。
○帳簿類の保管・・・破産手続の終了が確定すると,帳簿類の保管義務は会社の元代表者に移りますが,引渡しができない場合には,重要でないものは破棄し,重要なものは管財人が保存することになります。(3年間保管した後は廃棄して差し支えない)。微妙な場合は,帳簿類破棄の許可申請書を提出する。
新法では,破産者に対する免責審尋の実施が任意的なものとされましたが,多くの地裁では,原則的に免責審尋を実施されます。管財人は,就任当初から,破産者について,免責不許可事由に該当する行為がないかどうか,破産に至る経緯等に照らして裁量免責の事情が認められるかどうかについて調査し,裁判所に報告しなければなりません(法251)。免責の理念は,①誠実な破産者に対する恩典と②債務者の経済的再生の2点にあるとされています。したがって,管財人は,単に過去の免責不許可事由(法252①)の有無だけでなく,破産者が破産手続に誠実に協力したか否か,特に債権者の代表である管財人に適切に情報を開示したか否か,債権者への「情報の配当」の実現に貢献したか否か,債務者に経済的更正の可能性があるか否かなという点も含め,総合的な観点から意見を述べる必要があります。
なお,基本的に第1回財産状況報告集会と同時に免責審尋期日(意見申述期間の満了日)が開催されるので,免責に関する意見書は,財産状況報告集会の一週間前までに裁判所に提出します。