債務整理を行う債務者の数が増えてくると,どの債務者がどこまで処理が終わったのか(何の処理で止まっているのか)把握が困難になってきます。サイむ整理くん4では,進捗状況をグラフでわかるような機能を追加しました。
画面の左側にある進捗状況ボタンをクリックします。債務者一覧画面に似ていますが,進捗状況がグラフで表示されています。
進捗状況のグラフが,緑の場合は共通処理段階を意味します。進捗状況のグラフが青の場合は,共通処理が終わって,任意整理・個人再生・破産のいずれかの段階になっていることを意味します。
債務者をダブルクリックすると,作業内容ダイアログが表示されます。この例では,債権確定作業が未着手であることを示しています。
債権確定作業の前にある+をクリックすると,この作業にはどのような作業があるのか知ることができます。債権者確定作業では,共通処理で登録してあるすべての債権者に対して,何らかの処理が必要なことがわかります。
債権者の名前の前にある+をクリックして,開いてみましょう。ここでは,取引履歴の回収と入力が必要なことがわかります。
作業の行をダブルクリックをすると,作業の詳細ダイアログが表示されます。この画面には,現在の状況,作業担当者,予定工数,納期等が指定できます。しかし,通常は,入力は不要です。
処理メニューボタンを押すと,この処理を行う処理メニューが開きます。
しかし,通常は,このような作業の詳細を見ることはありません。進捗状況の機能は,多数の債務者を同時に処理しなければならないような忙しい事務所向けに設計しています。進捗状況の管理のために,余分な作業が追加されるのは,本末転倒だからです。
サイむ整理くん4が自動的にどのような作業が必要で,どの作業が未着手で,どの作業が終了したのかといったことを勝手に判断してくれます。一般的には,進捗状況を時々確認するだけの目的で使ってください。
多くの事務所では,債務整理業務は,各スタッフのベスト・エフォット(最善の努力をする)で行われています。相手(債権者)のあることなので,こちらで定めたスケジュール通りには作業が進まないのが現実ですので仕方がありません。一方で,個人再生や破産処理のように,日程に定めのあるものもあります。納期の設定がしにくいといった特殊性のため,他の業種で行われているような納期管理のソフトは使うことができません。
しかし,一般に,事前のスケジュールの定めをせずに,ベスト・エフォットだけで同時に複数の仕事をさせると,現場はかえって混乱してしまうものです。
これを改善する方法として,サイむ整理くん4では,それぞれの作業について目標とする納期を決めることを提案します。(希望の)納期を決めることにより,この作業はまだ時間的に余裕がある,この作業は時間的に余裕がない(ので優先的にやらなければならない)等といった判断が現場スタッフにできるようになります。
あるいは,特定のスタッフの作業に遅れが生じているのかどうかの判断ができ,他のスタッフの協力を仰ぐかどうかの判断ができます。
このようにサイむ整理くん4の機能を使って,進捗状況を「見える化」することにより,現場の混乱を最小にでき,精神的に落ち着いた状態で作業ができます。
作業内容ダイアログを表示し,作業の行をダブルクリックして,作業の詳細ダイアログを表示します。たとえば,債権確定作業の行をダブルクリックします。
ここで,スケジュール欄の終わりの日程を入力します。この設定により,上の例では,債権確定作業を平成20年5月12日までに終わらせたいと指定します。(ちなみに,このヘルプを作っているのは5月8日です)
OKボタンを押すと,作業内容ダイアログの該当部分のアイコンが黄色で表示されるようになりました。これは,納期まで残り日数が足りくて時間的に余裕があまりないことを意味しています。納期設定がない場合は青で,納期までに余裕がある場合は緑色で,納期まで余裕がない場合は黄色で,納期を過ぎているか,あるいは間に合いそうもない場合は赤で表示します。
作業のサブアイテム毎に納期を設定することもできます。この場合,親の納期は,サブアイテムの中で最も最後に終わる作業の納期と同じになります。
たとえば,破産処理の場合に作成する書類は,地裁によって異なります。また,事務所によっては,サイむ整理くん4が計算するよりももっと細かく作業を分類しているかもしれません。サイむ整理くん4では,これらの設定をカスタマイズすることができるようになっています。カスタマイズに関しては,当面(開発者が各事務所による違いを勉強したいので)サポート係まで相談してください。